Interview 01
  • 准教授・医学博士
  • 細井香

おもちゃを活用したアタッチメント(愛着)形成と親子のコミュニケーション

アタッチメント(愛着)とは何でしょうか。

「アタッチメント」は、ジョン・ボウ ルビーが提唱した心理学の専門用語です。一般的には、愛着とか絆と訳されます。ボウルビーは、 子どもの育ちを研究するうえで、3才までの親子関係に着目しました。そして、親が子どもにどう接してきたかが、その子の性格やコミュニケーション能力に影響すると結論付けました。さらに近年の研究では、自尊心、自律性、他者への基本的信頼感、心の理解能力などの発達を支え促すことがわかっています。

「アタッチ」の語源は、「くっつく、くっついている」という意味です。具体的に言えば、抱っこ、おんぶ、おっぱいをあげる、といった赤ちゃんのお世話から始まります。それを「愛しいという思い」をこめて行うことです、こうした基本的なお世話に始まり、スキンシップ、語りかけ、対話、いっしょに遊ぶ、といったことに発展していきます。

アタッチメントと五感刺激が乳幼児期に重要な理由は何でしょうか。

アタッチメントは、まっさらに生まれてきた赤ちゃんにとって、その後の人格形成の方向づけであり、成長の土台となるものです。赤ちゃんの時期に、身近な大人との間に安定した絆を形成することで。情緒が安定し発達が促されます。安定した方向づけをしてあげられるか、そうでないかによって、その後の「生きやすさ」は大きく変わってしまう可能性があります。またアタッチメントは、子どもの「もっともっと」を引き出します。興味・関心・意欲と言ってもよいでしょう。それによって、乳幼児期の発達課題である五感刺激はさらにすすみ、高度化し、複雑化してゆきます。それが、知能の発達です。知能の発達によって、アタッチメントも高度になり、より強固なものになります。

つまり、アタッチメントと五感刺激は、相互補完の関係にあります。どちらが欠けても、子どもの発達は成立しません。そのスタート地点であり、もっとも豊かに形成されるのが乳児期なのです。

おもちゃが介在することによるメリットは何でしょうか。

子どもにとってのメリットは、「発達」でしょう。発達課題に合っているあそびは、子どもにとって、夢中になって遊べる楽しいものです。もう一つのおもちゃの役割は、大人とのかけはしです。おもちゃを介することで、親や保育者との対話が生まれます。対話は、子どもの意欲を高め、想像性を広げ、あそびを高度なものに導いてくれます。その結果として、豊かな発達とアタッチメント形成が促されます。それは、子どもにとって「生きる力」そのものになります。

こんどは、親にとってのメリットを挙げましょう。なにもなしに「子どもとあそぶ」ことが難しいと思われるのであれば、「おもちゃ」の力を借りてください。0・1・2才のおもちゃは、親が関わるための道具として存在します。おもちゃを通して関わった先に、赤ちゃんの笑顔があったり、新しくできるようになったことを発見したり、子どもの面白い、楽しいに共鳴することで、子どもと心が通じ合ったと思える瞬間に出会えるかもしれません。そしてこれらの体験のすべては、対話の中で起こります。

その瞬間の「幸せ」は、子どもが大きくなっても忘れることはありません。おもちゃは、そんな「一生モノの幸せの瞬間」を生み、見つけやすくしてくれる「親のための道具」でもあるのです。

フィッシャープライス商品が乳幼児期のアタッチメント形成とその後の発達に役立てる点は何でしょうか。

「赤ちゃんが反応するポイントが豊富にある」ことと、「発達心理学における発達課題を遊びの中で育めるように意図されていること」です。

子どもが豊かに反応できるおもちゃは、お母さん(お父さん)の語りかけを生み、「非言語の対話」を生みます。「非言語の対話」とは、言葉による対話ではなく、表情や反応、感情をダイレクトにやりとりする対話です。これこそが、もっとも本質的で質の高いアタッチメント行動なのです。

アタッチメントを育む営みの先に、五感刺激などの発達課題があり、それによって、心・知能・運動の発達がすすんでゆきます。子どもには、成長段階に応じた発達課題があります。それらをあそびをとおして体験することが発達です。

おもちゃの開発段階で、このようなコンセプトが盛り込まれている点が、フィッシャープライスの知育玩具を「アタッチメントを育むおもちゃ」として、おすすめする理由です。

特にお勧めしたい商品があれば教えてください。過程で遊ぶ方法にアドバイスがあれば教えてください。

『パーフェクトセンスデラックスジム』は、0~6か月の赤ちゃんに特におすすめです。この時期は、「見る」「聞く」「さわる」「たたく」といった五感を使ったいとなみを、いつでも十分に、そして安全にできる環境設定が必要です。これらの体験は、「特別な体験」と呼ばれ、その後の発達によい影響をもたらします。さらにそこに、お母さんの語りかけが加わると、対話が生まれ、アタッチメントが形成されます。アタッチメントは、子どもの「もっともっと」を引き出します。興味・関心・意欲と言ってもよいでしょう。それによって、発達課題である五感刺激はさらにすすむのです。

『リンキマルズ』は、「五感刺激→言語発達→コミュニケーション」というように、発達段階に合わせて、コミュニケーションをテーマにあそびを展開できる点でおすすめです。言語の入り口である生後8か月から3才くらいまで長く遊べます。発達段階によって遊び方は高度化しますが、それにも対応しています。9か月のころは、一体のリンキマルズで、音や光の反応をいっしょに楽しみ、反応し、語りかけ遊びます。1才を過ぎて両手を使ったあそびができるようになったら、別のリンキマルズを追加しても良いでしょう。反応の違いを楽しんだり、2体がリンクして反応するさまを楽しむことで、遊びが発展します。2才を過ぎたら、複数のリンキマルズで、想像の世界をつくるあそびができます。

すべてにおいて重要なのは、お母さん(お父さん)が関わることです。乳児期(0・1・2才)の子どもは、一人遊びはしませんし、発達課題にもありません。アタッチメントを介することが、子どもの発達をうながすとともに、アタッチメント形成をうながします。

『おやすみラッコ』は、情緒発達や共感性を育むのにおすすめです。0~1才のころまでは、ママのかわりに安心をくれる「いつもいっしょで、かたときも離れない存在」です。これは、移行対象といって、後追いがはじまる8か月ごろから、とても大切な存在です。無理に取り上げたりしてはいけません。赤ちゃんが安心するサウンドもついていますので、お母さんの寝かしつけのサポートもしてくれます。

細井香
准教授・医学博士

東京家政大学 准教授・医学博士
日本アタッチメント育児協会 顧問理事
北里大学医学博士課程修了。専門は予防医学と、保育士養成。

子どもの健康について「医学的な知識」が大切だと痛感し、保育現場の経験を経たのち、医学博士取得。大学で教鞭をとりつつ、専門である予防医学の観点から、親子のアタッチメント形成の重要性と、子どもの発達への影響について日本アタッチメント育児協会のカリキュラム作成や講義に協力している。東京家政大学で保育士養成に携わるかたわら、淑徳大学でも「育児学」を担当している。

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Interview 02
  • 教授
  • Alexander McAulay

一緒に遊んで一緒に学ぶ乳幼児期からの英語教育

英語教育とは何を目指すべきでしょうか。

日本語を母国語とする日本人が目指すべき英語教育とは、最終的に国際社会の中で英語でのスムーズなコミュニケーションが可能になることを目指すものです。

その中で、2020年から必修化される小学校での英語の必須化は2つのことを教育目標とされています。1つ目は、音声を柔軟に受け入れる時期であることから、音声を中心とした英語でのコミュニケーションや交流を通して、音声・表現・文法などのスキルを中心に英語力向上を図ることです。2つ目は、言語や文化に対する関心や意欲を高めるのに適した時期であることから、英語を知ることで、日本語や日本文化を含めての言語・文化理解を深めることと、英語での交流を通して、コミュニケーションの積極性や、国際理解を深めることを重視する考え方を養うことを目標としています。

特に乳幼児期にママパパができる英語教育は何でしょうか。また、注意点はありますか?

小学校からの英語必修化に向けて、心配になる親御さんも多いかと思いますが、英語には「早めに触れること」、そして「一方通行にしないこと」が大切です。

二か国語が話される過程で育つ3才以下の幼児は、2つの言語で親と遊んで会話を交流するため、記憶力と推論力の両面で優位に立つことが研究で明らかになっています。この遊びがバイリンガリズムの発達への第一歩になります。

両親が英語を話さなくとも、幼いころに二つの言語を聞くと、それぞれの言語の音を区別して発音することを身につけられます。幼い子どもたちは、まず聞く言語を区別することができ、混合することはありません。そのため、早くから英語に触れられるものを家庭に取り入れ、また、ただ英語を発するものを与えるだけでなく親も一緒に遊ぶなどすることで一方通行にしないことがコミュニケーションとして英語を受け入れる大切なステップになります。

おもちゃが介在することによるメリットは何でしょうか。

日本で育つ子供が将来英語を上手に使えるようになるためには、早い段階で英語に触れる機会を持つことが重要です。子ども自身が楽しめるということが第一前提として必要なので、おもちゃで手軽に取り入れることは大きなメリットなります。また、色や形といった簡単な単語やフレーズが楽しめるので、英語に自信のない親御さんも一緒に遊ぶことで、一方的に英語を与えるのではなく、親子のコミュニケーションとしても取り入れやすいことが、さらに英語を受け入れる環境づくりとして役立ちます。

フィッシャープライス商品が乳幼児期からの早期バイリンガル教育に役立てる点は何でしょうか。

フィッシャープライスの「バイリンガル知育玩具」では、英語と日本語が交互に表現されています。そのため英語に自信のない親でも安心して遊びながら子どもに教えたり一緒にコミュニケーションを楽しむことができます。また、音楽・ダンス・ライトなど様々な要素が加わり、映像を見せるだけや本で単語を学ぶだけより、五感を使い、コミュニケーションをとりながら楽しく学べることが、言語発達を促します。

特にお勧めしたい商品があれば教えてください。ご家庭で遊ぶ方法にアドバイスがあれば教えてください。

「バイリンガル知育玩具」の中でも、バイリンガルカメラ・バイリンガルスマートウォッチ・バイリンガルリモコンなどは親のまねっこ遊びを通じてコミュニケーションをとりながら親子で遊べるのでお勧めです。

また、「バイリンガル知育玩具」の中でも「スマートステージ機能」をもつ、バイリンガルワゴンやバイリンガルチェアなどは、発達の早い乳幼児期に、成長に合わせて言語の内容と質を高めてレベルを変更できることから、1つのおもちゃで長く英語に触れる環境のサポートができるのでお勧めです。

Alexander McAulay
教授

横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授。ボーンマス大学大学院(メディア&コミュニケーション学)博士課程修了(PhD)。専門は英語学。全国語学教育学会の雑誌「バイリンガル・ジャパン」共同編集者。「日本語・英語の実践的なバイリンガル育成」についての研究に関心が深い。「日本語・英語バイリンガル育成」をテーマにした事例研究を発表。

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Interview 03
  • 准教授
  • 塩田真吾

遊びを通して育てる、幼児期からできるプログラミング教育

小学校で必修化となるプログラミング教育とは何でしょうか。

現代社会ではあらゆる活動の中で、コンピュータなどの情報機器やサービスとそれによってもたらされる情報を適切に活用していく必要があります。これらをより適切に、そして効果的に活用していくためには、その仕組みを知ることや目的に合わせて動作をさせることができるように、主体的に活用する必要があります。

プログラミングの能力を養うことによって、創造力や思考力などお子さまの将来の可能性を高めることがプログラミング必修化の目的として期待されています。

その中でコンピューターのプログラミングそのものを学ぶのではなく、この教育を通して、「情報活用能力」を養い高めることが目的とされており、知識や技能だけでなく、思考力・判断力・表現力などを培うことがプログラミング教育必修化の目標となっています。

未就学の幼児期にママパパができるプログラミング教育は何でしょうか。

将来の子どもたちはIoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、様々なビックデータをAIが解析し活用できる社会を生きることになります、そのような社会では、AIが示す様々なデータを駆使しながら、問題を発見・分析し、論理的に考えることは、基礎的であり必須の力になります。

決してプログラミングそのものを学ぶのではなく、プログラミングを通して、こうした能力を身につけることができれば、将来の大きな武器になると考えています。

そのためには、親御さんもプログラミングという名前だけに抵抗感を覚えず、楽しい方法で思考力を養う遊びを取り入れてあげることが重要です。

おもちゃが介在することによるメリットは何でしょうか。

”プログラミング”というと未知の領域のように感じ、難しく考えてしまう親御さんも多いかもしれませんが、教育目標として達成するのは論理的思考や問題解決といった、のちに社会で役立つ能力を身につけることです。難しく考えすぎずに、おもちゃで取り入れることで、親子ともに”プログラミング”に過剰な抵抗感や苦手意識を作ってしまうことなく、楽しく触れ始めることがおもちゃとしてプログラミングを取り入れる大きなメリットになります。

フィッシャープライス商品が幼児期からのプログラミング教育に役立てる点は何でしょうか。

フィッシャープライスのプログラミング玩具では、プログラミングそのものではなく、プログラミングが目指す教育目標を達成するための基礎を養うことができます。未就学児から取り入れることができる点や、遊び方を限定しないことから、決められたことだけでなく、自分自身が決めたゴール設定の達成を目指すことで、論理的思考や問題解決能力といったプログラミング思考の基礎を早くから身に着け、生活の中でも役立たせる能力の発達をサポートします。

特にお勧めしたい商品があれば教えてください。ご家庭で遊ぶ方法にアドバイスがあれば教えてください。

「コード・A・ピラー ツイスト」では”試行錯誤しながら、より良い手順でゴールを目指す”ことで、論理的思考や問題解決能力などのプログラミング的思考を養うことができます。具体的には”順次”とよばれる”ものごとを1つ1つ順番に考える力”が挙げられます。これはプログラミング的思考の基本となるもので、プログラミングだけでなく、他の様々な社会生活においても活用できる力です。

塩田真吾
准教授

静岡大学教育学部 准教授 専門は、教育工学、情報教育、授業デザイン。「社会とつながる授業」をテーマに、様々な企業と連携しながら「授業デザイン」について工学的に研究している。主な著書に、『行動改善を目指した情報モラル教育』(2018)など。

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