Interview 04
  • コンテンツディレクター/音楽プロデューサー
  • 日比野則彦

コンテンツの制作者が伝えたい、フィッシャープライスのおもちゃの魅力
「きみといっしょにいる幸せ」

1930年にアメリカで誕生したフィッシャープライスは、国境を越えてヨーロッパやアジア、オセアニアと、その魅力が伝わり、いまでは世界中の子どもたちの成長を支える存在となり、いまでは世界38ヵ国に拠点があり150ヵ国以上で販売されています。

フィッシャープライスの日本語版を担ってきたキーマンが、音楽プロデューサーで保育園を運営しながら保育士をされている日比野則彦氏です。演奏家・作曲家・サウンドエンジニア・音楽プロデューサー・事業家という多彩な顔をもつ日比野氏は、アメリカで開発されるフィッシャープライスの英語のおもちゃに日本語を吹き込むコンテンツディレクションを長年務め、その制作過程で、フィッシャープライスの魅力と価値を体得してきたといいます。

そこで今回、フィッシャープライスのおもちゃの“日本語版”を手がける日比野則彦氏に、フィッシャープライスの魅力や、日本語を吹き込み、おもちゃをローカライズする際のこだわりなどについて詳しくお伺いしました。

ゲーム業界からおもちゃ業界へ・フィッシャープライスと出会うまで

もともと私はゲーム業界にいまして、「メタルギアソリッド」シリーズをはじめたくさんのゲーム音楽を手がけてきました。戦いものが多いゲーム音楽の制作にすこし疲れを感じていたころ、知人を癌で亡くしました。

何かできることがあったのではないかと思ったことがきっかけで、患者の呼吸に合わせるというサウンドセラピーに出会い、人を癒す音楽により力を注ぐようになりました。

この経験をきっかけに、ホスピスでのコンサート、独自の音響装置の開発にも取り組んできました。また企業主導型という形で運営している保育園や学童で毎日こどもたちと過ごし、いっしょに音楽を楽しんでいます。

ゲーム音楽を制作していた当時、アメリカのフィッシャープライスがおもちゃを海外で販売するために、英語のコンテンツを日本語にして収録するコンテンツディレクターを探しているということで、タイミングよくお声をかけていただき、この仕事に携わらせていただくことになりました。

当初は何をするにも手探りでした。セリフの翻訳もしていますが、日本人の感覚に合わせた伝わりやすい言葉にすること、そして何より歌える声優を見つけることに苦労しました。話す声と同じ声で歌うことができる声優はなかなかいませんし、探すのに大変苦労しました。

そこで劇団員四季など元劇団俳優さんにお願いすることになったのですが、これがうまくはまりました。おもちゃは圧縮音源(元の音データから人間の耳が感じにくい部分を間引くことで、データ量を減らすこと)が採用されていますが、みなさん明晰で耳に美しく響かせるための基本的な発声である母音法をしっかりと習得されていて、表現力が素晴らしいんです。

日比野氏と声優のKAORIさん

声から伝わる声優さんの愛情は、技術以上に大切なこと

たくさんのおもちゃをローカライズしてきましたので、いまはどうしたらよいかと迷うことはありませんが、何よりも大切だと感じているのは、まず声優さん自身が、この仕事に喜んで参加してくれることです。その声優さんが「こどもたちに伝えたい気持ち」を言葉や歌に乗せて発することが非常に大切です。

こどもは感受性が非常に強いので、おもちゃから聞こえる声に愛情があるかどうかを察します。ですから、何よりも声優さんたちが愛情をもってこの仕事に取り組めるように、環境づくりを大切にしています。

“声優さんが「こどもたちに伝えたい気持ち」を言葉や歌に乗せて発することが非常に大切です。”(日比野さん)

“もっと楽しくてみんなが繰り返したくなるような言葉をひとつひとつ大事に、フィッシャープライスの声にしていきます”(Kaoriさん)

アタッチメント(愛情)形成を担う、フィッシャープライスのおもちゃ

そしてフィッシャープライスの最大の魅力が、アメリカ発おもちゃならではの感情表現です。フィッシャープライスのおもちゃたちには、日本人にはあまりないような、ストレートな感情や愛情表現がたくさんあります。

乳幼児期には「アタッチメント形成」が大切とよくいわれていますが、ママやパパが、赤ちゃんと接する時間は残念ながら限られています。24時間、赤ちゃんにつきっきりでコミュニケーションをとることはできません。まして、仕事を抱えていたりすると、赤ちゃんと接する時間も少なくなってしまいます。

もちろんママやパパとのふれあいが一番ですが、常に抱っこすることや、声をかけることはなかなか難しい。でもそんなときに、いつも近くにあるおもちゃを抱っこし、おもちゃが語りかけるということが、こどもの安心感につながるんですね。心を込めて収録した声優さんの声でおしゃべりする、ストレートな感情表現はきっと子どもたちに届くと思います。

フィッシャープライスのおもちゃたちが、「だいすき!」「きみといっしょにいるとうれしい!」と話しかけてくれると、たとえ言葉を話せない年齢の子たちでも、愛されていることを感じ取ります。

もちろんおもちゃが親に代わることはできないですが、愛情形成を手助けするという発想が、フィッシャープライスには随分昔からあったんだと思いますね。

安心できるホームグランドを形成できてこそ、子どもはようやく外に出て、チャレンジすることができる。最終的には社会に出て行って、他者とのコミュニケーションができるようになります。フィッシャープライスのおもちゃは、大切な“ママやパパといっしょにいる安心感”をサポートする。これは大きな魅力だと思います。

おもちゃを通して、「自分が受け入れられている」という幸せな時間を

先ほど環境づくりの話をしましたが、「自分が受け入れられている」とおもちゃを通して感じていただけることが、私の最大のこだわりです。僕がどんなに細かくディレクションをするより、おもちゃに命を吹き込む声優さんが喜んでプロジェクトに取り組むこと以上に大切なことはありません。

だからとにかく、僕自身が声優さんを迎える。受け入れる。そして声優さんたちが楽しくて、うれしい気持ちで歌って、お話しする。そうやって作られたおもちゃだから、子どもたちも楽しいんです。

フィッシャープライスのおもちゃが、長年たくさんの子どもたちに受け入れられている理由のひとつは、そこにもあると思っています。「自分が受け入れられている」という幸せな時間を、おもちゃを通してみんなで共有してくれたらうれしいです。

日比野先生のおすすめのおもちゃ

バイリンガルわんわんシリーズ

アタッチメント形成という意味でとてもいいおもちゃだと感じています。「だいすき!」という表現にもさまざまな言葉や勢い、気持ちがあります。そしてアメリカ発おもちゃならではの「きみといっしょにいるとうれしい!」などといった感情表現も、乳幼児期にとってすごく大事なメッセージです。

日比野則彦
コンテンツディレクター/音楽プロデューサー

2008年よりフィッシャープライスの日本版コンテンツディレクションを担当。作曲家、音楽プロデューサー、事業家と3つの顔を持つ。サックス奏者として国内外で活動しながら作曲家としてゲーム「メタルギアソリッド」シリーズの音楽を手がける。音楽活動の傍ら、企業主導型保育園「ひかりキッズ」学童・アフタースクール「わくわくアーク」を運営するなど幅広く活躍。

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  • 現役保育士・育児アドバイザー
  • てぃ先生
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  • 東北大学加齢医学研究所教授
  • 瀧靖之 先生

【保育のプロ×脳科学】赤ちゃんの発達とおもちゃについて本音で徹底解説

赤ちゃんにとっておもちゃは楽しく遊ぶだけでなく、五感を豊かに育み、赤ちゃんの「からだ・あたま・こころ」の成長を支える大切な道具です。今回の記事では、現役保育士のてぃ先生と脳科学者の瀧先生の対談が実現しました。保育の現場と最新科学の両方の観点から赤ちゃんにとって理想のおもちゃを考えます。

1歳までが重要。五感への刺激がすべての成長の土台に

子育て中のママやパパに大人気の保育士てぃ先生。今回対談していただいたのは、脳科学研究の第一人者である瀧先生です。
赤ちゃんのおもちゃを選ぶ前段階として、まずは赤ちゃんの脳の発達や成長段階についてお二人に話を聞きました。

赤ちゃんの発達に合わせたおもちゃを与えたいと考えるママパパは多いと思います。おもちゃを選ぶ上で「五感への刺激が大事」という言葉を聞くことがありますが、それはなぜなのでしょうか。五感の刺激とその後の発達との関係性について教えてもらいました。

瀧先生
「大人にとって、自分の意思で自分の体を動かせるのは当たり前ですが、生まれたばかりの赤ちゃんの行為の主体性は徐々に発達します。
赤ちゃんが自分の手をじっと見て、動かしたり舐めたりすることがありますよね。これは赤ちゃんが自分の手を認識しようとする『ハンドリガード』という行為です。これにより、自分の意思で自分の手を動かすことができる、ということに気づきます」
てぃ先生
「脳細胞の数って、大人も赤ちゃんも変わらないんですよね。重要なのは脳細胞の数ではなくて、細胞同士のネットワークで、五感を刺激することで増えると聞いたことがあります。瀧先生、合っていますか?」
瀧先生
「その通りです。脳を構成する神経細胞をニューロンというのですが、そのニューロン同士の接合部をシナプスといいます。五感を刺激することでシナプスが増え、それが運動の効率化などにつながります。これが『子どもには五感の刺激が大事』といわれる理由です」
てぃ先生
「赤ちゃんの時にこの土台をいかに作れるかって、すごく大きいと思います。シナプスのネットワークが増えれば増えるほど、成長の段階で『頭が良い人』『効率のいい人』といった違いが出てくるんですよね」
瀧先生
「特に1歳までは五感への刺激がとても重要です。その後の成長の土台になります。
でも、赤ちゃんが生まれてすぐに脳のすべての領域が一気に発達するわけではありません。場所によって発達のピークが異なるので、適切なタイミングで適切な刺激が必要です。適切な刺激により、発達が促されます」

【月齢別】適切な五感への刺激とは

では、赤ちゃんの発達に合わせて五感を適切に刺激するためにはどうしたらいいのでしょうか。赤ちゃんの脳の発達とともに説明してもらいました。

生後0〜6ヶ月は「見る」「聞く」そして「ぬくもり」が大切

瀧先生
「生後すぐからダイナミックに発達するのは視覚です。生後すぐは、焦点が最も合う距離がおおよそ20cm程度と細部は見えていませんが、コントラストの強い色を認識しやすく、赤ちゃんは一生懸命にものを見ようとします。
瀧先生
これは後頭葉と呼ばれる場所が発達するからです。また、聴覚に関わる側頭葉も生後すぐ発達するので、『見る』『聞く』は最初に刺激を与えてあげたいですね。
あと、この時期にとても大切なのが『ぬくもり』で、愛着形成につながります。愛着形成によって情緒が安定し、特定の人との安心できる関わりを通してコミュニケーション力や共生力の基礎ができていきます。これは、脳の発達にもとても重要です。まわりの大人がたくさんぬくもりを感じさせてあげましょう」
てぃ先生
「パパやママに抱っこされたときのぬくもり、お日さまの光を浴びたときのぬくもり…。保育現場でもたくさんの赤ちゃんと触れ合う中で、ぬくもりって本当に大事だなといつも実感します。ぬくもりによって赤ちゃんが安心するのを見ていると、感覚の発達につながっているんだなと思います」

生後6〜12ヶ月は「運動能力」と「言語獲得」ふれあいも忘れずに

瀧先生
「次の段階として、頭頂葉が発達します。頭頂葉には手ざわりなどの触感を司る感覚野と、手足など体の動きを司る運動野があります。この時期の赤ちゃんが寝返りやおすわりができるようになるのは、頭頂葉が発達するからです。
また、生後6ヶ月をすぎたころから脳は言語を獲得しようとするので、母国語に関わる刺激が大切です。読み聞かせなどでたくさん言葉を聞かせてあげてください。このとき、子どもをひざの上に乗せて読み聞かせをするなど、ぬくもりを感じさせることも忘れないようにしてください」
てぃ先生
「保育園で園児たちを見ていると、お話が上手だったり絵本が好きな子は、読み聞かせが大好きな子が多い印象です。ひざの上でハグしながらの読み聞かせは、とてもよいコミュニケーションにもなりますよね。
てぃ先生
単に読み聞かせをしたらいいというのではなく、読み聞かせをしながら『親子でふれあっていること』がポイントです。
子どもは、本やおもちゃを通して、言語の刺激をたくさん受けるので、親子で自然にふれあってあたたかい時間を過ごすことで、その時間自体が子どもにとってポジティブなものになりますよね」
瀧先生
「親子いっしょになにかをすることは、脳科学的にとてもいいことです。最近は早い月齢から英語を習わせるご家庭もありますが、まずは大人が楽しくやっていることを見せながらいっしょにやるのがいちばんです。
子どもは模倣する力がとても高く、言語も口の動きなどの模倣から覚えていきます」

お気に入りのおもちゃが安心、成長をうむ

瀧先生
「子どもは模倣能力が高いぶん、世の中のストレスや大人がピリピリしている雰囲気も伝わります。ですので、普段から心に余裕を持って子どもに接するように心がけたいですよね。
子どもが、心から安心できる安全地帯を作ってあげることは必要です」
てぃ先生
「そういう意味で、おもちゃはやっぱり重要ですね。保育園で進級するタイミングでお部屋が変わるとき、前のお部屋で遊び親しんでいたおもちゃを先に移動させておいてから、園児たちを移動させたりするんですよ。
お気に入りのおもちゃがある空間は、子どもにとっての安全地帯になるからです。
この安全地帯があることで、子どもははじめて冒険ができるんです。新しい環境に馴染もうとする新しい挑戦です。親の安心感、モノの安心感、場所の安心感という土台があると、いろいろなことに挑戦できる子になります」
瀧先生
「コロナ禍で子どもと過ごす時間が多くなったママパパも多いと思います。コロナ禍というネガティブな要因ではありますが、その中に『親子の接点が増えた』などのポジティブさを見つけることが大事なのではないでしょうか。
ずっといっしょにいるとメリハリをつけるのは難しいかもしれませんが、おもちゃがあることで、子どもとのコミュニケーションが取りやすくなることもあります。
たとえば、おもちゃで遊んでいるときに赤ちゃんがなにかを見ていたら「〇〇を見ているのね」、なにかを握ったら「〇〇を握ったのね」など、動作をそのまま言葉にしてあげるだけでもよいでしょう。そうすることで、より豊かな刺激を与えることができます。
子どもの脳の発達や成長に五感の刺激は欠かせません。子どもの発達段階に合ったおもちゃで、たくさん刺激を促してあげることが大切です。それが今後の成長の基礎になるからです」

てぃ先生おすすめ!五感を刺激し、成長をサポートするおもちゃ6選

てぃ先生と一緒に、フィッシャープライスにお邪魔しました。フィッシャープライスのおもちゃは、五感への刺激を大切に作られています。その中でも保育士目線でてぃ先生がおすすめするおもちゃを6つ選んでいただきました。
子どもの発達に合わせた、五感を豊かに刺激するおもちゃばかりですので、ぜひ参考にしてみてください。

五感刺激がいちばん必要な月齢【0〜3ヶ月の赤ちゃん】におすすめ

瀧先生
「この時期に赤ちゃんは、視覚や聴覚、触覚をたくさん刺激することが大切です。さらに、狙ったものをつかむといった、手足と視覚の連動(協働運動)を促せるとよりよいでしょう。それが今後、例えばサッカーや野球などで必要な空間認知能力につながると考えられます。
また、自分というものを意識するきっかけのひとつとして、鏡を見ることも良いかもしれません。
の時期は特に、子どもが安心して睡眠をとることが発達においてとても重要です。睡眠が不規則な月齢なので、睡眠を妨げるおもちゃではなく、睡眠を促すようなおもちゃ選びも重要です」
パーフェクトセンス デラックスジム

生まれたばかりの赤ちゃんに、耳・手・目・口・そして鼻への刺激を与えてくれるジム。様々な手触りのマットや、頭上の揺れるおもちゃなど、赤ちゃんをあおむけに寝かせるだけで五感をフルに刺激することができます。

てぃ先生
「ふとんに寝ているだけだとなかなか話題が見つけられないかもしれませんが、このおもちゃを使えば赤ちゃんのとなりにママかパパがいっしょに寝転んで『らっこちゃんがいるね』など、声もかけやすそうです。鏡やぬいぐるみもついているし、におい付きのおもちゃまであるのは画期的!嗅覚も刺激できるなんてすごいですね。たくさん仕掛けがあるから気になったおもちゃに手を伸ばすなど、協働運動の練習にもなりそうです」
おやすみラッコ

ふわふわ素材のラッコは、おなかがゆっくり上下に動き、ほんのりライトアップします。赤ちゃんが落ち着く心音やホワイトサウンドを自由に組み合わせることができます。

てぃ先生
「赤ちゃんの寝かしつけで呼吸ってすごく大事なのですが、このラッコ、本当に落ち着いた呼吸してますね(笑)赤ちゃんが寝付きやすい呼吸というのがあって、まさしくそんな感じです。
子どもの月齢がもっと上がっても、長く使えそう。寝るときの相棒になりますね」

体を動かすことが大切な【3〜6ヶ月の赤ちゃん】におすすめ

瀧先生
「視覚、聴覚、触覚の刺激に加えて、運動能力の基礎も形成されるので足の屈伸運動など、体を動かすことをたくさん取り入れましょう」
レインフォレスト ジャンパル― II

真ん中に赤ちゃんを入れて上下の動きやジャンプ遊びができるおもちゃ。ジャンプするたびにメロディとライトアップを楽しむことができます。高さ調節も可能です。

てぃ先生
「赤ちゃんって発達上、自然と屈伸運動をしますよね。これは喜びそう。向きが変えられるのもいいですね。バウンサーだとママが移動したら赤ちゃんから見えなくなっちゃうけど、これなら赤ちゃんが自分で向きを変えてママの動きを目で追うことができます。
赤ちゃんははしゃぐだろうから、これで遊んでもらったらかわいい写真も撮れそう!」

遊びの中で自然に学ぶ【6〜9ヶ月の赤ちゃん】におすすめ

瀧先生
「6ヶ月以降になると、言語や音に対する興味が高まります。視覚や聴覚もますます発達するでしょう。手先が器用になる時期なので、指先をたくさん動かして、つまむなどより細かい指先の使い方や力の入れ加減を学べるといいですね。
また、脳の発達がダイナミックに進み始めますので、ちょっと考えるような遊びも少しずつ取り入れられると良いかもしれませんね。頭の中で遊び方を必死に考えて、試行錯誤を繰り返すことで、発達も促されていきます。」
ゆらりんタワー

大きさと色が異なる5つのリングをタワーにはめていくおもちゃ。ゆらゆらゆれるタワーにリングをはめることで、手先の器用さと、体のバランス感覚が養われます。1960年に発売して以来、長年のベストセラーです。

てぃ先生
「いろんなレベルで子どもの認知機能が刺激されそうですよね。大きさや色によってそれぞれタワーにはめていく順番を考えそう。
シンプルなおもちゃなので、子どもがどう戦略を考えているかを観察できるし、コミュニケーションも取りすいですね。
このタワー、底が平らではなくゆらゆらと揺れるように設計されているので、その動きに合わせて目を動かしたり、手でぱっと止めて遊ぶとか、遊びの幅がかなり広いです」
バイリンガル・ラーニングボックス

8個のブロックと5つのパネルで指遊びができるおもちゃ。たくさんしかけがあるので子どもの探究心も刺激できます。

てぃ先生
「このおもちゃ、ずーっと子どもが遊んでいる姿が想像できます(笑)。遊びの中で、自然に数字や色、形を覚えられるのも魅力的ですね。
てぃ先生
試行錯誤の中で学べて、繰り返し遊べるおもちゃですね。子どもが自分なりにできることを発見したり、課題を見つけて解決するので、ママやパパが『こう遊ぶのよ』と先に答えを教えない遊び方もできそうです。
たくさんトライアンドエラーをさせてあげたら、自分で考える力が身につきそうなおもちゃです」

言語を獲得し始める【9〜12ヶ月の赤ちゃん】におすすめ

瀧先生
「この月齢の子どもの脳は、言語獲得の発達が活発になる時期。耳から言語を覚えるのでたくさんの言葉に触れさせてあげましょう。また、9か月からより細やかに手先を動かせるようになります。」
わんわんのバイリンガル・リモコン

リモコンの形のおもちゃで、ボタンを押すと音やライトがつきます。楽しい日本語と英語のおしゃべりで数字や色も学ぶことができます。

てぃ先生
「子どもがリモコンやスマホが好きなのは、普段ママやパパが手にしているのを目にしているからなんです。このおもちゃを手にした子どもは喜んで大人の真似をしてボタンを押しますよね。
押すボタンによってちがう音楽が流れてくるから、リズムも耳から入ってきます。いつでも明るいノリノリの音楽なので、常にポジティブな情報がたくさん入ってきそうです!英語が楽しいというイメージにもつながりますね」

今後の成長の土台になる「五感への刺激」は赤ちゃんのうちに

今回の対談でご紹介したおもちゃは、どれも楽しく遊べそうなおもちゃばかりでしたが、それだけでなく脳科学の観点からも五感を豊かに育んでくれることがわかり、ますます魅力を感じました。

これらのおもちゃをぜひ、おうち遊びに取り入れてみてはいかがでしょうか。

五感いっぱいに、わくわくを。

五感いっぱいに、わくわくを。見て。聴いて。さわって。感じて。五感をたくさん刺激する遊びが、お子さまの将来の学習意欲、豊かな感性を育む土台になります。フィッシャープライスのおもちゃは、五感を使いながら夢中になれるしかけがいっぱい。「からだ」「あたま」「こころ」をバランスよく育み、お子さまの成長をサポートします。

1930年にアメリカで誕生したフィッシャープライスは、ベビー・プリスクール世界売上No.1*のおもちゃブランドです。

独自のリサーチや研究を重ねて開発したおもちゃで、子どもたちの興味を引き出し、遊びを通してからだ・あたま・こころの発達をサポートします。

※ NPD 2020年POS売上データ(USドル) インファント・トドラー・プリスクール玩具カテゴリー

てぃ先生
現役保育士・育児アドバイザー

Twitter フォロワー50万人以上。現役保育士として子どもに日々接しながら、保育園などのアドバイザーとして活躍中。

瀧靖之 先生
東北大学加齢医学研究所教授

医師で医学博士。16万人の脳のMRIを解析・研究。『「賢い子」に育てる究極のコツ』(PHP文庫)など著書多数。一児の父。

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Interview 01
  • 准教授・医学博士
  • 細井香 先生

おもちゃを活用したアタッチメント(愛着)形成と親子のコミュニケーション

アタッチメント(愛着)とは何でしょうか。

「アタッチメント」は、ジョン・ボウ ルビーが提唱した心理学の専門用語です。一般的には、愛着とか絆と訳されます。ボウルビーは、 子どもの育ちを研究するうえで、3才までの親子関係に着目しました。そして、親が子どもにどう接してきたかが、その子の性格やコミュニケーション能力に影響すると結論付けました。さらに近年の研究では、自尊心、自律性、他者への基本的信頼感、心の理解能力などの発達を支え促すことがわかっています。

「アタッチ」の語源は、「くっつく、くっついている」という意味です。具体的に言えば、抱っこ、おんぶ、おっぱいをあげる、といった赤ちゃんのお世話から始まります。それを「愛しいという思い」をこめて行うことです、こうした基本的なお世話に始まり、スキンシップ、語りかけ、対話、いっしょに遊ぶ、といったことに発展していきます。

アタッチメントと五感刺激が乳幼児期に重要な理由は何でしょうか。

アタッチメントは、まっさらに生まれてきた赤ちゃんにとって、その後の人格形成の方向づけであり、成長の土台となるものです。赤ちゃんの時期に、身近な大人との間に安定した絆を形成することで。情緒が安定し発達が促されます。安定した方向づけをしてあげられるか、そうでないかによって、その後の「生きやすさ」は大きく変わってしまう可能性があります。またアタッチメントは、子どもの「もっともっと」を引き出します。興味・関心・意欲と言ってもよいでしょう。それによって、乳幼児期の発達課題である五感刺激はさらにすすみ、高度化し、複雑化してゆきます。それが、知能の発達です。知能の発達によって、アタッチメントも高度になり、より強固なものになります。

つまり、アタッチメントと五感刺激は、相互補完の関係にあります。どちらが欠けても、子どもの発達は成立しません。そのスタート地点であり、もっとも豊かに形成されるのが乳児期なのです。

おもちゃが介在することによるメリットは何でしょうか。

子どもにとってのメリットは、「発達」でしょう。発達課題に合っているあそびは、子どもにとって、夢中になって遊べる楽しいものです。もう一つのおもちゃの役割は、大人とのかけはしです。おもちゃを介することで、親や保育者との対話が生まれます。対話は、子どもの意欲を高め、想像性を広げ、あそびを高度なものに導いてくれます。その結果として、豊かな発達とアタッチメント形成が促されます。それは、子どもにとって「生きる力」そのものになります。

こんどは、親にとってのメリットを挙げましょう。なにもなしに「子どもとあそぶ」ことが難しいと思われるのであれば、「おもちゃ」の力を借りてください。0・1・2才のおもちゃは、親が関わるための道具として存在します。おもちゃを通して関わった先に、赤ちゃんの笑顔があったり、新しくできるようになったことを発見したり、子どもの面白い、楽しいに共鳴することで、子どもと心が通じ合ったと思える瞬間に出会えるかもしれません。そしてこれらの体験のすべては、対話の中で起こります。

その瞬間の「幸せ」は、子どもが大きくなっても忘れることはありません。おもちゃは、そんな「一生モノの幸せの瞬間」を生み、見つけやすくしてくれる「親のための道具」でもあるのです。

フィッシャープライス商品が乳幼児期のアタッチメント形成とその後の発達に役立てる点は何でしょうか。

「赤ちゃんが反応するポイントが豊富にある」ことと、「発達心理学における発達課題を遊びの中で育めるように意図されていること」です。

子どもが豊かに反応できるおもちゃは、お母さん(お父さん)の語りかけを生み、「非言語の対話」を生みます。「非言語の対話」とは、言葉による対話ではなく、表情や反応、感情をダイレクトにやりとりする対話です。これこそが、もっとも本質的で質の高いアタッチメント行動なのです。

アタッチメントを育む営みの先に、五感刺激などの発達課題があり、それによって、心・知能・運動の発達がすすんでゆきます。子どもには、成長段階に応じた発達課題があります。それらをあそびをとおして体験することが発達です。

おもちゃの開発段階で、このようなコンセプトが盛り込まれている点が、フィッシャープライスの知育玩具を「アタッチメントを育むおもちゃ」として、おすすめする理由です。

特にお勧めしたい商品があれば教えてください。過程で遊ぶ方法にアドバイスがあれば教えてください。

『パーフェクトセンスデラックスジム』は、0~6か月の赤ちゃんに特におすすめです。この時期は、「見る」「聞く」「さわる」「たたく」といった五感を使ったいとなみを、いつでも十分に、そして安全にできる環境設定が必要です。これらの体験は、「特別な体験」と呼ばれ、その後の発達によい影響をもたらします。さらにそこに、お母さんの語りかけが加わると、対話が生まれ、アタッチメントが形成されます。アタッチメントは、子どもの「もっともっと」を引き出します。興味・関心・意欲と言ってもよいでしょう。それによって、発達課題である五感刺激はさらにすすむのです。

『リンキマルズ』は、「五感刺激→言語発達→コミュニケーション」というように、発達段階に合わせて、コミュニケーションをテーマにあそびを展開できる点でおすすめです。言語の入り口である生後8か月から3才くらいまで長く遊べます。発達段階によって遊び方は高度化しますが、それにも対応しています。9か月のころは、一体のリンキマルズで、音や光の反応をいっしょに楽しみ、反応し、語りかけ遊びます。1才を過ぎて両手を使ったあそびができるようになったら、別のリンキマルズを追加しても良いでしょう。反応の違いを楽しんだり、2体がリンクして反応するさまを楽しむことで、遊びが発展します。2才を過ぎたら、複数のリンキマルズで、想像の世界をつくるあそびができます。

すべてにおいて重要なのは、お母さん(お父さん)が関わることです。乳児期(0・1・2才)の子どもは、一人遊びはしませんし、発達課題にもありません。アタッチメントを介することが、子どもの発達をうながすとともに、アタッチメント形成をうながします。

『おやすみラッコ』は、情緒発達や共感性を育むのにおすすめです。0~1才のころまでは、ママのかわりに安心をくれる「いつもいっしょで、かたときも離れない存在」です。これは、移行対象といって、後追いがはじまる8か月ごろから、とても大切な存在です。無理に取り上げたりしてはいけません。赤ちゃんが安心するサウンドもついていますので、お母さんの寝かしつけのサポートもしてくれます。

細井香 先生
准教授・医学博士

東京家政大学 准教授・医学博士
日本アタッチメント育児協会 顧問理事
北里大学医学博士課程修了。専門は予防医学と、保育士養成。

子どもの健康について「医学的な知識」が大切だと痛感し、保育現場の経験を経たのち、医学博士取得。大学で教鞭をとりつつ、専門である予防医学の観点から、親子のアタッチメント形成の重要性と、子どもの発達への影響について日本アタッチメント育児協会のカリキュラム作成や講義に協力している。東京家政大学で保育士養成に携わるかたわら、淑徳大学でも「育児学」を担当している。

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Interview 02
  • 教授
  • Alexander McAulay 先生

一緒に遊んで一緒に学ぶ乳幼児期からの英語教育

英語教育とは何を目指すべきでしょうか。

日本語を母国語とする日本人が目指すべき英語教育とは、最終的に国際社会の中で英語でのスムーズなコミュニケーションが可能になることを目指すものです。

その中で、2020年から必修化される小学校での英語の必須化は2つのことを教育目標とされています。1つ目は、音声を柔軟に受け入れる時期であることから、音声を中心とした英語でのコミュニケーションや交流を通して、音声・表現・文法などのスキルを中心に英語力向上を図ることです。2つ目は、言語や文化に対する関心や意欲を高めるのに適した時期であることから、英語を知ることで、日本語や日本文化を含めての言語・文化理解を深めることと、英語での交流を通して、コミュニケーションの積極性や、国際理解を深めることを重視する考え方を養うことを目標としています。

特に乳幼児期にママパパができる英語教育は何でしょうか。また、注意点はありますか?

小学校からの英語必修化に向けて、心配になる親御さんも多いかと思いますが、英語には「早めに触れること」、そして「一方通行にしないこと」が大切です。

二か国語が話される過程で育つ3才以下の幼児は、2つの言語で親と遊んで会話を交流するため、記憶力と推論力の両面で優位に立つことが研究で明らかになっています。この遊びがバイリンガリズムの発達への第一歩になります。

両親が英語を話さなくとも、幼いころに二つの言語を聞くと、それぞれの言語の音を区別して発音することを身につけられます。幼い子どもたちは、まず聞く言語を区別することができ、混合することはありません。そのため、早くから英語に触れられるものを家庭に取り入れ、また、ただ英語を発するものを与えるだけでなく親も一緒に遊ぶなどすることで一方通行にしないことがコミュニケーションとして英語を受け入れる大切なステップになります。

おもちゃが介在することによるメリットは何でしょうか。

日本で育つ子供が将来英語を上手に使えるようになるためには、早い段階で英語に触れる機会を持つことが重要です。子ども自身が楽しめるということが第一前提として必要なので、おもちゃで手軽に取り入れることは大きなメリットなります。また、色や形といった簡単な単語やフレーズが楽しめるので、英語に自信のない親御さんも一緒に遊ぶことで、一方的に英語を与えるのではなく、親子のコミュニケーションとしても取り入れやすいことが、さらに英語を受け入れる環境づくりとして役立ちます。

フィッシャープライス商品が乳幼児期からの早期バイリンガル教育に役立てる点は何でしょうか。

フィッシャープライスの「バイリンガル知育玩具」では、英語と日本語が交互に表現されています。そのため英語に自信のない親でも安心して遊びながら子どもに教えたり一緒にコミュニケーションを楽しむことができます。また、音楽・ダンス・ライトなど様々な要素が加わり、映像を見せるだけや本で単語を学ぶだけより、五感を使い、コミュニケーションをとりながら楽しく学べることが、言語発達を促します。

特にお勧めしたい商品があれば教えてください。ご家庭で遊ぶ方法にアドバイスがあれば教えてください。

「バイリンガル知育玩具」の中でも、バイリンガルカメラ・バイリンガルスマートウォッチ・バイリンガルリモコンなどは親のまねっこ遊びを通じてコミュニケーションをとりながら親子で遊べるのでお勧めです。

また、「バイリンガル知育玩具」の中でも「スマートステージ機能」をもつ、バイリンガルワゴンやバイリンガルチェアなどは、発達の早い乳幼児期に、成長に合わせて言語の内容と質を高めてレベルを変更できることから、1つのおもちゃで長く英語に触れる環境のサポートができるのでお勧めです。

Alexander McAulay 先生
教授

横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授。ボーンマス大学大学院(メディア&コミュニケーション学)博士課程修了(PhD)。専門は英語学。全国語学教育学会の雑誌「バイリンガル・ジャパン」共同編集者。「日本語・英語の実践的なバイリンガル育成」についての研究に関心が深い。「日本語・英語バイリンガル育成」をテーマにした事例研究を発表。

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Interview 03
  • 准教授
  • 塩田真吾 先生

遊びを通して育てる、幼児期からできるプログラミング教育

小学校で必修化となるプログラミング教育とは何でしょうか。

現代社会ではあらゆる活動の中で、コンピュータなどの情報機器やサービスとそれによってもたらされる情報を適切に活用していく必要があります。これらをより適切に、そして効果的に活用していくためには、その仕組みを知ることや目的に合わせて動作をさせることができるように、主体的に活用する必要があります。

プログラミングの能力を養うことによって、創造力や思考力などお子さまの将来の可能性を高めることがプログラミング必修化の目的として期待されています。

その中でコンピューターのプログラミングそのものを学ぶのではなく、この教育を通して、「情報活用能力」を養い高めることが目的とされており、知識や技能だけでなく、思考力・判断力・表現力などを培うことがプログラミング教育必修化の目標となっています。

未就学の幼児期にママパパができるプログラミング教育は何でしょうか。

将来の子どもたちはIoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、様々なビックデータをAIが解析し活用できる社会を生きることになります、そのような社会では、AIが示す様々なデータを駆使しながら、問題を発見・分析し、論理的に考えることは、基礎的であり必須の力になります。

決してプログラミングそのものを学ぶのではなく、プログラミングを通して、こうした能力を身につけることができれば、将来の大きな武器になると考えています。

そのためには、親御さんもプログラミングという名前だけに抵抗感を覚えず、楽しい方法で思考力を養う遊びを取り入れてあげることが重要です。

おもちゃが介在することによるメリットは何でしょうか。

”プログラミング”というと未知の領域のように感じ、難しく考えてしまう親御さんも多いかもしれませんが、教育目標として達成するのは論理的思考や問題解決といった、のちに社会で役立つ能力を身につけることです。難しく考えすぎずに、おもちゃで取り入れることで、親子ともに”プログラミング”に過剰な抵抗感や苦手意識を作ってしまうことなく、楽しく触れ始めることがおもちゃとしてプログラミングを取り入れる大きなメリットになります。

フィッシャープライス商品が幼児期からのプログラミング教育に役立てる点は何でしょうか。

フィッシャープライスのプログラミング玩具では、プログラミングそのものではなく、プログラミングが目指す教育目標を達成するための基礎を養うことができます。未就学児から取り入れることができる点や、遊び方を限定しないことから、決められたことだけでなく、自分自身が決めたゴール設定の達成を目指すことで、論理的思考や問題解決能力といったプログラミング思考の基礎を早くから身に着け、生活の中でも役立たせる能力の発達をサポートします。

特にお勧めしたい商品があれば教えてください。ご家庭で遊ぶ方法にアドバイスがあれば教えてください。

「コード・A・ピラー ツイスト」では”試行錯誤しながら、より良い手順でゴールを目指す”ことで、論理的思考や問題解決能力などのプログラミング的思考を養うことができます。具体的には”順次”とよばれる”ものごとを1つ1つ順番に考える力”が挙げられます。これはプログラミング的思考の基本となるもので、プログラミングだけでなく、他の様々な社会生活においても活用できる力です。

塩田真吾 先生
准教授

静岡大学教育学部 准教授 専門は、教育工学、情報教育、授業デザイン。「社会とつながる授業」をテーマに、様々な企業と連携しながら「授業デザイン」について工学的に研究している。主な著書に、『行動改善を目指した情報モラル教育』(2018)など。

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