バービーロールモデルインタビューサイト

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アスリート

夢に挑戦したいという想いを、
勇気を持って行動で示す

山下 千絵

Chie Yamashita
  • バービーで遊ぶことを通じて
    多様性を知ってほしい

     

    義足や車椅子のバービーがあることは知っていましたが、バービーには体型や肌の色など、こんなにいろんな種類があるんですね。多様性ということが、本当に世の中に浸透し始めているのかなと思います。
    子どもたちが、こういういろいろなバービーで遊ぶのは、とても大切だと思います。バービーで遊ぶことを通じて、世の中にはいろんな人がいるということを子どもたちが知れば、今まで以上に偏見も少なくなるのではないでしょうか。「この人は自分とは違う」と距離を取ってしまうのではなく「あっ、こういう人もいるんだ」と、プラスのイメージで捉えられるようになるといいですね。

     

  • 義足のアスリートとの出会いから
    スタートした陸上への挑戦

     

    私が陸上を始めたのは、大学の授業がきっかけです。授業に招かれた義足のアスリートが、競技用の義足を装着して、走っている動画を見せてくれたんです。自分でもびっくりするくらい衝撃を受けました。
    それまで、競技用の義足に興味はあるけど、高価で手が出せないから私には関係ないと思い込んでいたんです。でも、この授業をきっかけに「走ってみたい!」という想いが一気に強くなりました。その気持ちを、義足を作ってくれる装具士さんに伝えたことがきっかけで、様々な人たちのサポートがあり、陸上を始めることができたんです。
    競技でもなんでも、人との出会いがすごく大事なんだと思います。

     

  • アスリートとしての活動を通じて
    パラスポーツを広めたい

     

    私の夢は、2020年の大会で陸上の100メートルと200メートルにダブルで出場することです。そして、その先もずっと競技を続けて行きたい。競技歴も浅いので、もっとアスリートとして突き詰めて行きたいと思っています。
    それと並行して、義足を初めとするパラスポーツに関する普及活動もしていきたいです。パラスポーツのアスリートのことをもっと知ってもらいたい、という想いがずっとあります。
    私自身、義足に対する考え方が少しずつ変わってきていて、今は積極的にまわりの人たちに自分が義足であることを伝え、義足の知識を伝えるようにしています。そういった活動をしていくことで、多様性という考えがもっと広がっていくのでないかと思います。

     

  • 自分の夢を言葉にして伝え
    具体的にイメージする

     

    「競技用の義足を履いてみたい」と言ったことから私の陸上選手としてのキャリアがスタートしたように、やりたいことを誰かに伝えることはとても大事です。言葉にして伝えることで、自分の中でより考えがまとまるし、自分が本当になりたい理想像が確立されると思うのです。
    さらに、その夢をビジュアルとしてイメージすることも大事です。夢が叶うと信じるだけでなく、叶った時の自分を想像するとよいと思います。
    私のイメージは、大舞台でゴールしたあと日本の国旗を背中に掲げてカメラの前を走る自分の姿です。夜、夢に出てくるくらい強くイメージしています。夢が叶った自分をイメージをすれば、普段の練習にもすごくやる気が出ますし、「私はこうなりたい!」という想いをリアルに持ち続けることができると思います。

     

  • 大きすぎると思う夢でも
    まず何かやってみる

     

    夢を持ったとき、その夢が大きすぎたとしても、諦めてはダメです。その夢に近づくために、自分でまず何かやってみる。遠回りになってもいいから、夢に挑戦したい気持ちを自分の行動で示してみる。そのための勇気を持って欲しいと思います。
    自分の経験でいえば、大学の授業で競技用義足に感動しただけでは何も始まらないわけで、「走りたい」という気持ちをまわりの人に伝えたからこそ、今の私があるのです。
    そして忘れてはいけないのが、支えてくれる人への感謝です。私は、これまで本当に多くの人に支えられてきたので、競技を通じてその人たちへ感謝の気持ちを表したいと思っています。その気持ちが、夢に向かう私の原動力にもなっています。

     

PROFILE

  1. アスリート

    山下 千絵

  2. 1997年7月13日生まれ。法政大学スポーツ健康学部4年。小学4年生の時に交通事故に遭い左膝から下3分の2を切断。5歳から続けていたテニスを中高大と約6年間、皆に混ざって継続。都の団体戦でベスト16に進出し、キャプテンを務めた。大学で受けた講義をきっかけに競技用義足に興味を持ち、陸上競技に転向。現在はパラリンピック出場を目標に日々トレーニングに取り組んでいる。現在は、全国の小学生に向けて競技用義足の体験型授業を展開するなど、社会貢献活動にも取り組んでいる。

     
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