ドール遊びによる
社会性の発達

バービーチームとの研究提携を⻑年⾏なっているカーディフ⼤学は、ドール遊びが脳に与える影響について、注⽬すべき重要な結果をもたらす初の神経画像研究を実施しました(※1)
私たちは、ドール遊びにはたくさんの有益な効果があることを知っていましたが、今回それを裏付ける科学的根拠が明らかになりました。

※1 バービーチーム(2020年)の委託により調査を実施。4〜8才の子ども42人(男児20人、女児22人)を対象とし、33人の子どもからデータを取得した。

ABOUT RESEARCH

ドール遊びは誰に・どのように
脳を刺激するのか

この研究では、4才から8才の子どもを対象に、さまざまなバービーのドールやプレイセットで遊んでいるときの脳の活動を観察しました。 今回の素晴らしい発見は、性別や人種に関係なく、すべての子どもたちに当てはまります。

BENEFITS OF DOLL PLAY

ドール遊びの効果とは

バービーチームの研究では、子どもが遊んでいるときに話している言葉の重要性を研究しています。 最新の研究結果によると、子どもはドールで遊んでいるときに、他人の考えや感情に関する言葉を多く使うことが分かりました。これは、現実の世界で人々と交流するときに使える社会スキルの練習になっています。

01
脳の活性化

ドール遊びは、共感力などの対人関係を円滑にする社会的スキルを発達させるための脳の領域を活性化させます。

02
一人で遊んでも

子どもが一人でドール遊びをしているときでも、共感力を育む脳の領域が活性化されます。

EMPATHY IS KEY

共感力
なぜ大切なのか

子どもがバービーのようなドールを使って想像上の世界を作ったりおままごとをすることは、他人の感情や気持ちについて自分の考えを話すように促します。これは、共感力などの社会的・感情的スキルを構築し、⻑期にわたり優れた効果が得られます。共感力は、子どもの将来的な成功への重要な道しるべになります。 世界的に有名な教育心理学者であるミケーレ・ボルバ博士によると、子どもは共感力によって以下の能力を養います。

他人の視点を理解することで、より良い協力者、指導者、親になる力。

人間関係を円滑にする対人能力と問題解決力。

逆境から立ち直る回復力。

BENEFITS OF DOLL PLAY

共感力を育む9のヒント

70%の保護者が、”ソーシャルディスタンス”による子どものコミュニケーション能力への影響を懸念しています(※2)
共感を促すことは、子どもが自信と思いやりをもって、刻々と変化する世界を乗り越えていくために必要なスキルを身につけるのに役立ちます。ここでは、ミケーレ・ボルバ博士による、ドール遊びを有効な手段として取り入れた共感力の教え方に関する9つのヒントをご紹介します。

※2 OnePoll社が2020年7月に22カ国で3〜10才の子どもを持つ保護者15,000人を対象に実施したアンケート調査。

  • 01
    ドール遊びを使った自由な遊びをほめて、耳を傾ける

    子どもは遊びながら、よくおしゃべりしています。いろいろなドールを用意し、子どもの興味や悩み、好きなものや嫌いなものを聞きながら、このおしゃべりを促してあげましょう。

  • 02
    感情について話す

    「怒っているみたいだね」などと語りかけ、その感情に名前をつけて子どもの”感情表現の言語”を増やしましょう。「緊張しているのかな?心配してるの?嬉しいの?」 など、感情に関する質問をしてみましょう。子どもと感情について 話し、気持ちを表したり伝えたりすることを促してあげてください。

  • 03
    視野を広げる/多様性を学ぶ

    さまざまな肌の色や髪型、異なる性別や体型、障がいがあるなど、色々なドールを用意してあげましょう。子どもが、自分と他者との異なる点ではなく共通点に目を向けるように促しましょう。

  • 04
    「感情カード」を作る

    嬉しい、悲しい、怖い、興奮する、驚くなどの基本的な感情の名前を紙に書いて「感情カード」を作り、ゲームにして遊びましょう。家族それぞれがカードを引き、音や言葉は使わないで顔と体だけで感情を表現してみましょう。

  • 05
    「2つの思いやりルール」を使う

    「毎日少なくとも2つの思いやりのある言葉をかけるか、行いをする」という「2つの思いやりルール」を試してみましょう。 ”思いやり”とはどのようなものかを会話し、(例:おもちゃを分ける、誰かを助ける)、誰かが思いやりある行動を見せたらそれを指摘し、子どもの思いやりのある行動をほめてあげましょう。

  • 06
    お世話をさせる

    ペットに食事をあげたり、近所の人にお菓子を届けるといった、年齢に合わせて、子どもができるお世話やお手伝いを探してみましょう。小さな子どもでもドールを使ってお世話ごっこができます。

  • 07
    「○○係」で褒める

    「○○係」に任命しましょう。「○○を手伝ってくれる?」と動詞で促された子どもに比べて、「○○係」などの名称を付けた方が圧倒的にお手伝いをする確率が高いのだそうです。子どもに自分を思いやりのある人間だと思わせたいなら、名詞を使ってみましょう。

  • 08
    「思いやりボックス」を作る

    上部に穴が開いた箱を用意し、家族の中で”やさしさ”のある行動を観察をするように伝えます。やさしい行動を見つけたら、その行動とその人の名前を文字や絵で表現し、「思いやりボックス」に入れます。

  • 09
    バービーのドール・赤ちゃん・ペットで共感力を教える

    子どもが遊んでいる間、ドールを慰めたり、なだめたりするように促します。"子犬が怯えているみたい。どうしたら安心できるかな?" などと問いかけてみましょう。子どもが思いやりのある行動を実践すればするほど、その価値を身につける可能性が高くなります。

ACTIVITIES

子どもの共感力を育むためのレッスン

バービーと一緒に無限の物語を語りましょう!
お子さまに以下の質問をして、会話し、物語を完成させてください。

動画で知る

RESEARCH MOVIE

共感力の大切さ

サラ・ガーソン博士/ミケール・ボルバ博士

社会性を身につける

サラ・ガーソン博士

研究パートナーのご紹介

OUR RESEARCH PARTNERS

サラ・ガーソン博士
18年に渡り幅広く研究に取り組み、児童心理学に関する幅広いテーマで論文を発表している。

ロス・ヴァンダーワート博士
早期体験の役割が健全な脳の発達をどのように促進するかについて主に研究している。

サラ・ガーソン博士が率いるこの研究は、
Frontiers in Human Neuroscience』(英語)
に掲載されています。